私は自宅で仕事するワーママ、働く主婦ですが、今日は色々と思うところがあって、この忙しすぎる年末に夜な夜な黒豆を煮ながら書いてみました。
自宅で仕事できるなんていいわね。自宅で仕事してるんだから、いつでも遊びに行ってもいいでしょ?
とまあ、軽いノリで「自宅で仕事」や「在宅」という言葉から好き勝手に想像される訳です。
ここまでたどり着くのにどれだけの紆余曲折があったかなんて、こちらの事情を相手は知る由もありません。それはそうですよね。
ぶっちゃけ、こちらの身としては、平日いつ来てもらってもいいけど遊びの相手する時間なんてありません。お茶は出すのでその辺で座っててください。って感じです。
子どもを預けてまで働くこちらの事情も分かってほしい。
自由な時間を確保するために預けている訳じゃないのだから。
私の働くきっかけと背景
こちらのカオジロのプロフィールにも書いてありますが、産後働く事情があって仕事を探し始めました。まさか自分がこんなに早く社会復帰するとはつゆ知らず、妊娠中はのほほんと暮らしていました。
ダメもとで保育園申請を出したところ運良く入園が決定。関東とはいえ、都心から外れた住まいなので都内の激戦区に比べれば当時は保育園事情も比較的緩やかでした。
入園と同時にトントン拍子で週5フルタイムのパートの内定も頂けました。
子育てと仕事の両立に泣いた日々
三歳児神話を信じ込む世代が多い中、子を預け働くことへの周囲の反対勢力は、予想以上に大きかったです。
かわいそうね。親の都合で。見てあげればいいのに。そんなにお金に困っているの?
その言葉たちは、働くことを決めた私の心を後々強く締め付けることになります。もう3年も前のことなのに、未だに時々古傷がうずきます。
泣く思いで保育園へ預ける
あわててご飯をかき込み、子どもにも食べさせ、ドタバタと預けに行く。
今日も保育園、楽しめそうかな。辛くないかな。また仕事中に呼び出されないかな。大丈夫かな。
そんな不安をよそに笑顔で迎えてくれる保育園の先生にどれ程救われた事か。
子どもとの別れ際、どこでそんな言葉を覚えたのか「かあちゃん、今日もお仕事頑張ってね」と言われ、やたら手を振る我が子を尻目に、何度も胸が締め付けられそうになりました。
けれど思いは伝播するもの。
不安な顔を子どもに向けているつもりはなかったですが、子どもは母親の感情を感じ取るものなのかもしれません。
様々な気持ちを振り払い、車中で涙を流しながら仕事モードに頭を切り替え、職場に向かいました。
この子のためにも頑張らなくちゃ。
そんな日々が半年続きました。
呼び出しコール、子どもの風邪で仕事を休みがちに
大人でも季節の変わり目は、風邪をひきやすいもの。保育園からのお呼び出しコールが職場に鳴り響き、子どもの風邪で仕事を休みがちになりました。
37.5度の壁との戦いでしたね(かつてそんなタイトルのドラマもありましたね。観ませんでしたが)。37.5度を超えると保育園では預かってはくれません。
でも、どうしても仕事を休めない時には、病院での病児保育というものもあって、一日に5、6千円支払ってお弁当を持たせて利用したこともありました。
仕事に穴を開けてはならない焦りからくるイライラと、何のために働いてるんだろう??という思いが錯綜していたこの頃。
「仕事を始めるのは簡単だけど、働きつづけるのはもっと難しい」
ちょうど保育園が内定し、働く女性を支援するセミナーに出席した際、女性経営者さんからさらっと言われた言葉です。
働き始めることの嬉しさで、当初は「そうなんですね」と話を聞き流していたのですが、その言葉の重みが、働き始めてようやく分かりました。
「そこで働くことを挫折してしまうママが多いのですよ。」と。
「でも、どんな状況でも諦めないで。全力であなたのこと応援しています。」
その言葉が今になって身に染みました。
自分から諦めちゃいけない。そうやってなんとか仕事に喰らいつきました。
ですが、パートという分際、職場に自分の代役は大勢いる訳で、退職を余儀なくされます。
やれる仕事はなんでもかんでも引き受けた
ようやく保育園という新しい環境にも慣れてきた頃で、子どもの為にも自分のためにもこのまま引き下がるわけにはいかない。という思いで、めげずに仕事を探し始めました。
何度かフルタイムの面接を受けましたが、幼子がいるのですね・・・近くにご実家がないのですね・・・等訊かれ、かなり厳しい現実を目の当たりにしました。
また、ハローワークにも足繁く通い、昼間のパートは特に競争率が激しいという事実にも遭遇。
事務系の週3、4日の仕事はすぐに埋まってしまう、という現実を目の当たりにしました。働きたい主婦層は潜在的にすごく多いのです。
そして見つけた、「在宅」という働き方。
在宅勤務。とても魅力的に映りました。
子供が体調崩しても家で診てあげながら仕事ができる。子供が風邪ひいても職場の人に頭を下げなくてもいい。自分が時間を見つけて仕事すればいいのだから、誰にも迷惑をかけることはない。
そして、いくつか在宅での仕事を掛け持ちしながら、週3、4日はファミレスでパートで働きに出るというスタイルを確立しました。
在宅の仕事を血眼になって探しに探して、当時自分がやれそうな仕事はなんでも引き受けました。単価数十円の入力作業なんてザラ。いくつも経験しました。
現実と向き合い、戦わなくちゃ。働くことの歩みを止めてはならない。そう信じて。
ワーママが体調を崩すとこうなる
好きな時間に仕事ができる、つまり納期さえ守られていれば、夜やろうが昼間やろうが、作業時間に縛りは無いという事。
しかし、長時間のパソコンの単純作業は、血流の滞りと極度のしもやけを発症しました。結婚指輪が抜けない位にパンパンに指が腫れ上がり、かゆくてたまりませんでした。パート先で、消毒液に浸したダスターを素手でしぼる時は、歯を食いしばり仕事していました。
睡眠不足は予想以上に免疫力を低下させ、子どもよりも私の方が風邪をもらってくるようになりました。免疫低下は健康診断の結果にも反映され、聞いた事のない病名の症状を疑われるまでに。
産前は、風邪なんてほとんど引いたことなかったのに・・・。よく分からない喘息のような症状も出て、息苦しくて寝れない夜もありました。
そんな風にして、自分の体をないがしろにしてまで働く私を見て、わりと寛容だった夫まで「仕事辞めたら?」と言い出す始末。
仕事辞めたら?と言われると、生きるの辞めたら?って言われている様に思えました。専業主婦には戻りたくない。
あぁ、体が悲鳴を上げているんだなあと思いつつ、それでも気分的には、職場で働いていた時よりも、ずっとずっと気が楽だなと感じていました。
何のために働いているのか?
仕事内容よりも、仕事にありつけたありがたみの方が上回っていました。
親には大学まで出してもらったのに、あんなに勉強してきたのに、今やってることは、誰でもできる単純作業・・・。
でも、働く主婦の現実を目の当たりにした今、過去のプライドなんてもう邪魔なだけです。
ハローワークで仕事を探す時も、「仕事内容」から絞り込むのではなくて、「勤務条件」から選んでいる自分に気がつきました。
週3、4日勤務、土日祝休み、時間は9-18時、子育て中の主婦歓迎♪、なんていう仕事があればドンピシャなのになぁ。中々無いな、というように。
でもそれって、なにかが違うよな。
もっと、私にしか提供できない価値があるはず。
そう思うこと自体、人としてワガママなのか。いや違う、そうじゃない。
日に日にそういう思いが募っていきました。
その仕事の内容、子どもにも胸を張って言える仕事かどうか?を常に自分に問う
ダメもとで、気になる業界の気になる仕事に応募してみました。パート枠でしたが職務経歴書3枚位と過去に制作したものをつけて応募した記憶があります。書類審査に合格、面接を受けました。
過去に営業職をやっていた経験と少しのイラレやフォトショなどのグラフィックソフトの知識があることが買われたのか、好感触。その仕事はパート枠でしたが、在宅で出来ないか交渉した結果、有難い事にフリーランスとして契約させてもらえることに。
それが今も続けている、企画書作成の仕事です。データをもとに自分なりの論理展開で作成していけるのが楽しくて、毎月作成しかれこれ3年は経ちました。
長く続けられそう。ファミレスと単純作業の入力の仕事を辞め、それ一本に仕事を絞り込みました。
受注金額の大小じゃない、自分が時間を割いてまでやる価値がある仕事かどうか
時間と労力、能力を提供するだけの価値のある仕事かどうかを見極める視点を持つ事で、自分で未来を切り開けるようになります。
子どもも保育園で頑張っている。だから私も仕事に励める。
中途半端な仕事は引き受けない主義。
途中で責任放棄するなんて以ての外、常に、子どもに恥じない自分であるか?という基準で自らを問うています。
仕事をついついやり過ぎてしまう事も多々ありますが、自分が価値提供できる仕事を選びとるという事。さらに、今後は自分から仕事を生み出していく必要があると感じています。
子どもがいるからこそ仕事に打ち込める、頑張れる自分に気づかされているこの頃です。
外注さんと私
それ以外にもその取引先からいくつか資料を作成させてもらっている中で、今はその一部を定期的に外注さんにお願いしています。
私自身、新規の仕事に取り組みたかったのでそのお仕事をお断りしても良かったのですが、一から新たに募集をかけ、手間とコストをかけてまで人手を探すまでもないという先方の思惑は、こちらも察知していました。
であるならば、この恵まれたワークスタイルを、仕事探しに困っている人にお裾分けしたい、そう思い至りました。
当初、その仕事は、グラフィックソフトの使い方を一から教えるつもりで、子育て中の主婦の方に仕事をお願いしようと決めていました。私自身も在宅の仕事を探し、もがき苦しんで来た道のりを辿ってきたので、少しでも同じような境遇の方の手助けが出来れば・・・そんな思いを抱いていました。
そんな感じでペルソナを絞りクラウド上で募集をかけたところ、応募が殺到。。またしても主婦層の働きたいニーズに直面しました。継続案件ということもあって反響は大きく、すぐに募集を打ち切らなければならない事態に。。
今もお願いしている外注さん
最初に応募してくださった、子育て中の主婦の方にお願いすることになりました。グラフィックソフトの経験をお持ちだったのですが、お互いの知識をすり合わせるためにも一からマニュアルを作ってお渡しすると、その対応をすごく喜んでくださったのが印象的でした。
私自身も下請け的な仕事を色々とさせていただいた中で、受注側がどんな不安を持ちやすいか、どの部分がハードだと感じるか、また発注側が一方的かとか、かなり上から目線、など様々な対応を見てきたので、私が発注者へ回るときは、相手と対等の立場で仕事をやってもらおうと決めていました。
面倒な仕事を「やらせる」という考え方はフェアじゃない
相手に仕事を「振る」とか、仕事を「やらせる」のではなく、相手がどうすれば気持ち良く仕事ができるのか。尊重しあってお互いに良い作品を創り上げよう、という気概で今も心がけて接する様にしています。
相手が行った仕事の責任は、自分の責任。自分が把握しきれないこと以上のことは頼まない。また、相手と私の2重のチェックが入るので自分一人で制作していた時よりもより精度が高くなっています。
そんなこんなで、今日は思うことをひたすら書き綴ってみました。
そろそろ黒豆にも味が染み込んできたかしら。
以上、カオジロでした。