個人消費が活発になる年末商戦のうちのひとつ、クリスマス。今回は、昨年2015年のクリスマス商戦を主婦カオジロが振り返ります。
毎年、年が明けると、このように昨年末のクリスマス商戦を振り返る、というのが恒例行事となっています。もちろん、趣味ではなくお仕事として、です。
私自身、いち主婦として、特にクリスマスの時期はいろんなスーパーを回って買物をしますが、そこで多くの気づきを得ます。楽しそうだなと思う空間、売場作り。その雰囲気たらしめるものは何か、自分なりに分析し企画に応用しています。
そんな売場の中で、今回は主婦的に特に気になったものをご紹介しますね。
その前に、まずはこちらのデータを確認してみましょう。
クリスマスの個人消費支出
現時点で発表されている家計調査のデータから、前年度の年末年始の消費支出を割り出してみました。
2014年11月−2015年1月の内食費と外食費の推移です。
出典:「家計調査(二人以上の世帯)」(総務省統計局)から加工
年末年始の外食費を見ると、内食費ほどの大きな動きが見られません。一方、内食費は12月の20日の週から年末にかけ大きく伸長しているのが分かります。
それに伴い、食費全体も内食と同じ動きが見られ、ピークの12月の27日の週は普段の週よりも約10,000円アップ。
まさに年末年始はスーパーなどの小売業界にとって書き入れ時、という訳ですね。
クリスマスのスーパーのインプロを主婦が考察するよ
クリスマス当日の24日、25日のスーパーを4社から考察しました。
店内写真を撮ることは禁止されているので、ここからは想像力をはたらかせてお読みください。
とくに大きなスーパーでない限りは、クリスマス当日ならではのイベントやクリスマス来店特典といったような盛大な演出は見られず。
一部店舗では、クリスマス特設売場は閑散としていて、棚がスカスカ、商品が倒れていたりと、クリスマス演出最終日の一抹の寂しさのようなものを感じずにはいられない、残念な状況が見受けられました。
むしろ、正月販促物も半分ありーの、クリスマスのご馳走もありーの。
クリスマスから年始にかけてをご馳走週間と位置付け、焼肉やステーキ、しゃぶしゃぶ、鍋、唐揚げ、寿司、刺身・・・などといった定番ご馳走メニューを、通常の1.5割増で訴求強化している、といった店舗が多かったです。
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なんといっても、クリスマスは惣菜売場がアツい!
オードブル、ローストビーフ、ローストチキン、ローストレッグ、サラダ。
お肉系は惣菜売場、もしくは精肉で陳列したりと店舗によりまちまちですが、ローストチキンがズラリと陳列されているさまを見て「ああ、クリスマスだっけな。」とやっと実感する私です。
だって、他売場はいつもと特に変化がないんですもん。
クリスマスは手作り派?購入派?
今回、私が数店舗の売場全体を見渡した限りでは、デコ寿司ケーキを作りましょう!という手作り提案よりは、惣菜を盛付けそのまま食卓に出せるオードブル提案の方が多く見受けられました。
ちょっと余談ですが、クリスマスはデコ寿司ケーキ作ろう!などと一時期メーカーでかなり推していました。
果たして本当に一般に浸透しているものなのか?と。
私がデコ寿司を作るとしたら、12月中旬の子供達のクリスマス会や、クリスマス前の23日などの子どもがいる休みの日に作るかな〜と思います。
ただでさえ、ご馳走が多いこの時期に作らなくても・・・、あえてクリスマスを外して、なんでもない日の平日に作るとか(ひねくれ者でゴメンナサイ)。
なんでもない日おめでとう。そんな風に、いきなり平日ど真ん中でサプライズメニューを出す方が、ドキドキワクワクして楽しくないですか??
「働く主婦」とクリスマス。
一方、近年、働くママ「ワーママ」が増加傾向にあるのはご存知かと思います。
クリスマスは時間作ってでも何かやらなきゃ、作ってあげなきゃいけない、という焦燥感やイベント事に対する圧力を感じているママは多いはず。
私自身、イベント事には割と一歩引いた目で見てしまう方です。。〇〇商戦、と名付けて活気づけ消費を牽引しよう!という企業戦略が見え見えだと、サーっと引いてしまう。
でもクリスマスは別。
イブもクリスマスも平日だった今回のような年は、24日25日にこだわらず、23日とかその前の日曜日に前倒しでご馳走パーティーをしました。比較的時間を作れるし、気持ち的にもゆとりが持てるので。
クリスマスに限らず、バレンタイン・ハロウィンなどのイベント事すべてに当てはまることなのですが。きらびやかなプロモーションや宣伝文句から強迫概念にかられて「何かやってあげなきゃ子どもがかわいそう」視点を持つ親は結構いらっしゃいます。
これについてはまた後日、記事にしていこうと思うのですが、「義理」とか「仕方なく」「形だけ」「常識」「社会通念だから」ケーキ食べておく、とりあえずのご馳走を食べておけばいいんでしょ、と投げやりになってしまうのが、なんとも予定調和で味気ないです。
消費者側だけでなく、提案する側も。とりあえずコレ売っておけば間違いないんでしょ。っていう双方の予定調和に若干のいら立ちを感じる。
それがだんだん積み重なると、イベントを迎えるごとにストレスを増幅させ爆発してしまうママも。
私が思うには、ジョン・レノンの“ハッピークリスマス”の歌詞にもあるように、
クリスマスは、みんなの幸せを願う日
という位置付けで、美味しいものを気軽に食べようよ、と、そっと背中を押してあげる売場提案を行って欲しいなと思います。
その方が自分へのプチご褒美の日として捉えられるので、クリスマスが重荷にならず気が楽。時代ウケしそうです。
また本場アメリカでは、メリークリスマスとは言わず、Happy Holidaysと言い合うのだそうです。
クリスマスはキリスト教の行事ですが、ユダヤ教やイスラム教など、クリスマスを祝わない宗教もあります。
様々な宗教を持つ人が暮らすアメリカでは、相手の宗教や信仰を尊重する意味を込めて、公共の場やお店などたくさんの人が集まる場では“Merry Christmas”という言葉は使わず、代わりに“Happy Holidays(良い休暇を)”という言葉が使われることが一般的です。
引用:livedoorニュース「アメリカでは『メリークリスマス』が禁句 他の宗教への尊重で」
クリスマス商戦のメイン、オードブル
クリスマスに購入するときのお惣菜選びは、めっちゃ冒険したいとは思いません。以前から気になっていた惣菜をこの機会に買ってみようかな〜と思う程度です。
例えば、生春巻きとか、こだわり野菜のホクホクサラダ(旬野菜たっぷりの美味しそうな名前のサラダ)とか、こだわり自家製スモークサーモンなど。
なので、日頃から販売されているもの数種類をボリューミーにパッケージングしてあるものは嬉しい。
色々つまんで、家族とあーだこーだ言い合うのも楽しいし、やはり色々つまみたい需要が多いのか、どのスーパーでも3点盛・5点盛など数種類の詰め合わせ惣菜が多かったのも、なんだかうなずけます。
クリスマスのきらびやかな容器よりも、味で勝負してこいっ!
クリスマスの容器だから買う!このパッケージが可愛いから買う!といった容器トレイでジャケ買いする人は一時よりも少なくなっていると思うんですよね(チキンの取っ手のついたバスケット型容器とか)。
惣菜は見た目よりも中身で勝負!そんな時代の風潮を感じます。
うちの地域は、もう既に年末プラスチックゴミの最終日が過ぎていたので。
年明け一発目のゴミ回収日まで、一週間以上置いておかないといけないのですから。
年末の惣菜の容器プラスチックの処分に困っている主婦は、少なからず居ます。いや、主婦なら一度は困ったことがあると思う。
「クーッ、ゴミ箱のフタ、閉まらない〜!」
ワンサイズ大きなゴミ箱買おうか検討するのも、この時期だったりします。
近年流行のセミオーダー、ビュッフェスタイル。
中には、惣菜売場でサブウェイのようなセミオーダーのサンドイッチを承って販売している店舗も。
その店舗は自分で盛り付けるのではなく、ショーケース越しに店員さんが具材をサンドしてくれる形式だったので、ビュッフェスタイルよりも清潔感があります。
選ぶ楽しさをお客さんに提供しようという新しい試みが嬉しいですね。
これは、あのスーパーのあの店舗か!!なんて分かる人には分かっちゃいますかね〜?
手書きのPOPは定着化
スーパーの出入り口や、お惣菜コーナー、ベーカリーコーナー、鮮魚の平台の中、精肉の多段内などによく見られる「手書きのPOP」。
ポスカで手書きされているものや、手書き風だけど実は印刷されてるものなど、手書きPOPはどの店舗でも本当によく見かけるようになりました。
うまく活用すれば、底知れぬ説得力を発揮しますし、手書きならではの温かみも感じられて好印象。
ただ、主婦の本音としては・・・
手書きPOPは2、3行読むのが限界。
5行もあると、「店員の今日の日記♪」風に感じ、ちょっと読む気が失せる。
そのスーパーの相当なコアなファンでない限り、長々とした文章は読まないですね。
クリスマス商戦では必須!メニューの調理見本や、クッキングコーナーの強化。
クリスマスのクッキングコーナーは、オススメメニュー単品だけ掲出するのではなくて、数種類の調理見本を置いて欲しいと思う。
レシピをただズラズラっと並べている店舗もありますが、メニュー名だけだとイメージが湧かないので、せめてメニュー写真を並べておくとクッキングコーナーからもクリスマス感をもっと演出できるのではと思います。
自家製ウインナー・ハム・チーズ
クリスマス商戦の売場では、こだわりハムや店舗自家製のウインナーの販売強化し、ワインなどのおつまみとして平台に陳列する店舗も多く見られました。
ウインナーやハムは試食販売させてくれるところも多数。
クリスマス限定モノや、合成着色料・保存料無添加、だったら買ってみようか?となるが、試食してこれゼッタイ買いだな!と思うことは少ないように思う。
どちらかというと、ウインナーの試食販売、寒い日に来店し温かいものを口にして、ホッと幸せを感じ、購入してみようか、と決断するに至る、といったところでしょうか・・・。
チーズは単価が高いので、なかなか試食させるとまではいかず、POP頼みにならざるを得ないですしね。
クリスマス商戦のベーカリー
通常販売のパンをクリスマス詰め合わせセットとしてパッケージングし販売している店舗が多く見られました。
売価POPだけクリスマス仕様にしたり、クリスマスオリジナルのパンは1、2種類にとどめている店舗など多く見られました。さすがにクリスマス当日は、パンよりもピザの需要の方が高いわけで。
「ベーカリー売場のピザ」<「惣菜売場のピザ」。
ベーカリー売場のピザよりも、惣菜売場のピザの方が美味しそうに見えるのは気のせいだろうか??
惣菜売場のピザは、他の寿司やオードブルなどの惣菜に負けじと主張していて美味しそうに見える・・・。
一方、ベーカリーのピザは冷めていそうな印象。それは個人の主観でしかないのかもしれない。
ピザは焼きたてを提供してほしい!〜こういうの、嬉しい!POINT〜
クリスマス商戦の店舗の中で、焼きたてピザを数分でお渡しします!というお店があったんですよね。
宅配ピザのような大きなピザは、家庭の電子レンジに入りきらないので、冷めがち。
仕方なく冷めたピザを口にするしかなかったけれど、これを利用すれば予約が無くとも数分待つだけで店内のオーブンで焼き上げたアツアツの焼きたてピザを提供してくれる。そんな嬉しいサービスでした。
その辺りのお客様目線を考慮したサービスは、そのスーパーのコアなファンを生むためのきっかけとなると思う。
クリスマス商戦のまとめ
以上、一緒に店舗を歩き回って、主婦的に色々思うことを隣で呟いてる感じで書いてみました。売場の参考にしていただけたら幸いです。では!